トランスジェンダー差別についての記録

トランスジェンダー差別に関する記事を書いていきます

イギリスでのトランスジェンダー女性が参加した自転車競技について

つい先日イギリスで行われた自転車レースの競技にて、トランスジェンダー女性の選手が1位と2位を獲得し、3位がシスジェンダー女性であるという情報が拡散されるという事態が起こりました。

https://twitter.com/yousayblah/status/1534375949608833025?s=20&t=hjVUNuZ9816G7lfHv86hPA

一見すると公平性を欠いた不公平なレース結果であると思われるかもしれませんが、このレースがどのように行われたかを知らずに不公平だと憤るのはちょっと待ったと言わざるをえません。

この記事ではこのレースについての経緯を解説していきます。

 

この大会の主旨とは

まずはじめにこのレースはどんなものであったかを知るために、このレースを主催した公式サイトを見てみましょう。

Race Categories – ThunderCrit

もともとこのレースはトランスジェンダー選手も包括したレースであると記載があります。
イギリスではボリス・ジョンソン首相が今年(2022年)の4月にトランスジェンダー女性は女子競技に出るべきではないと発言したり、実際に自転車競技選手であるトランスジェンダー女性のエミリー・ブリッジス選手が同じ時期に女子競技に参加する資格がないと言い渡されました。

 

そんな背景もあり、じゃあそんな公式の大会で出場できなくなってしまったトランスジェンダーの人もノンバイナリーの人ももちろんシスジェンダーの人も参加できる競技大会を開催しようとなったのが今回やり玉に上がっているレースになります。
そうです。いつもトランスジェンダーはそれ用のカテゴリーで競技してくれと言っている人達が言うようにトランスジェンダー、ノンバイナリーも参加でき、その主旨に賛同するシスジェンダーも参加できるカテゴリーでのレースが開催されたのです。

 

そして下記のツイートを見ていただきたいのですが、レースに出場する笑顔のトランスジェンダー女性の写真とともに"The smile says it all."(この笑顔が全てを物語っています)とツイートされています。

https://twitter.com/sullivansa1/status/1533051663979884544?s=20&t=tvQ64JlYbGbs3oz2IGs7UA

私もこの笑顔の写真がすべてを物語っていることに関しては非常に同感で、本来スポーツのあるべき姿とはこうあるべきではないでしょうかと私は声に出して言いたいです。誰も排除されることなく包括的なレースで選手全員がのびのびと競技ができる素晴らしいレースだと思います。

また3位になったシスジェンダー女性の発言を見てみましょう。

https://twitter.com/jo7smith/status/1533176867754328064?s=20&t=gYtsrt5CkA30LRAgSKsJ7A

https://twitter.com/jo7smith/status/1533176869436149760?s=20&t=gYtsrt5CkA30LRAgSKsJ7A

To everyone messaging about my podium placing at thundercrit yesterday.
thanks for your concern, but I am delighted with my podium, super proud to be part of the team that organizes such an inclusive and exciting event, and proud to race with such awesome competitors.

昨日のサンダー・クリートの表彰台についてメッセージをくれた皆さん。
このような包括的でエキサイティングなイベントを主催するチームの一員であること、そして素晴らしいライバルたちとレースができたことを誇りに思っています。

For all those who care so deeply about the future of woman's cycling, please direct your energy to lobbying for better tv coverage, pay and race opportunities in the woman's pro peloton, rather than a gender neutral race.

女子サイクリングの将来を深く案じておられる方々は、性別にとらわれないレースではなく、女子プロプロトンにおけるテレビ中継や給与、レース機会の改善を求めるロビー活動にエネルギーを注いでください。

このレースに参加できたこと、競技ができたことに対して非常にポジティブな発言をしていることがお分かりいただけると思います。

 

巻き上がる非難の声

しかし下記のようにレースの結果だけ見たTERFをはじめとしたトランスフォビアの人達が、トランスジェンダー選手と一緒にレースをしたことに肯定的な彼女に対して非難の声を次々と浴びせ、彼女のアカウントが非公開になるまでに追い込んだという事態にまでなってしまいました。(私が記事を書いている現在は公開に戻ったようです)

https://twitter.com/deportablediz/status/1533397919524564992?s=20&t=tvQ64JlYbGbs3oz2IGs7UA

https://twitter.com/Bronwen85/status/1533365541771128834?s=20&t=tvQ64JlYbGbs3oz2IGs7UA

 

以上が今回の自転車レースで起こった経緯になります。


トランスジェンダーがスポーツしたいのならそれ用のカテゴリーを作ってそっちでやれという多数の声のとおりの大会を開催したら開催したでそこでもトランスジェンダーをバッシングするのに都合の良い切り取り方をした旨の情報が英語圏でも日本でも拡散されてしまっているということです。

この大会の結果に対しても不公平だとかスポーツは身体の性別で分けろという非難の声が世界中で繰り広げられていますが、この記事で記載した経緯を知った方であればもうそれがいかに残酷で卑劣で差別的であることであるかは明白だと思います。

 

このような情報を目にした時にどのような背景があってどのような経緯でそうなっているのかということを調べる姿勢は非常に重要です。
情報のうわべだけ見て簡単にRTしたり拡散するということをせず、今一度どんな人物が発信しているのか、どんな出来事なのかは調べられる範囲で調べるといったことをネットを使う者の最低限の責任として心掛けていきたいですね。

もちろん私も日頃から気をつけています。

はじめていきます

はじめまして。

このブログでは近年激化するトランスジェンダーの人達に対する差別について記録していきたいと思います。

 

日本では2018年にお茶の水女子大学トランスジェンダー女性の受け入れを発表したニュースからSNS上などで議論され始め、年月を追うごとに悪意のあるデマや煽動するニュースおよびTwitter等でのツイートが激増してトランスフォビアが蔓延しているという深刻な状態です。

そのためトランスジェンダー当事者に対しての差別的かつ侮辱的な言葉をぶつけたり人権を侵害するような言葉がニュースのコメントやSNSなどで日常的に見受けられます。

 

ではなぜそのような状況になっているのか、どのようにトランスジェンダーに対する差別が行われているのか。特にTwitterなどではツイートがどんどん流れていき、こういう差別があった、こんなデマツイートがバズってしまっているといった事実がどんどん流れていってしまいます。

その場合散々トランスジェンダーに対する憎悪を煽っておいて過去にどんな差別的なツイートや出来事があったのかということを一つ一つ覚えている人はおそらくいないと思います。

おそらくトランスジェンダーに対して嫌悪感を抱いている人達は、トランスジェンダーの人達の実態を知らずにたくさんのデマや煽動めいた情報を浴びすぎて、それがデマや差別的な内容だと分からずにトランスフォビアになってしまっている人が圧倒的に多いと思います。

 

なのでそれらの出来事やツイートなどを記録する場としてブログを立ち上げました。

あとで見返した時にこういった恐ろしい差別やデマが蔓延していたということを残していければと思っています。